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【独自調査】買い物で生成AIを使った人の46%が「知らなかった商品」を提案され、50%が購入をやめた・切り替えた経験あり|EC・通販にLLMOが必要な理由

約13分で読めます 著者: 武藤 尭行

株式会社Itera(LLMOチェキ)が2026年9月に実施した調査で、直近1年以内に商品・サービス選びで生成AI・AI検索を使った人は全国の18〜70歳の33.95%(n=2,000)でした。さらにEC・通販で生成AIを活用した300名のうち45.67%が「自分では知らなかった商品・ブランド・ショップ」をAIから提案された経験があり、50.33%が「AIの回答をきっかけに購入をやめた、または別の商品・ブランドに変えた」経験を持っていました。

生成AIは、買い物の入口で「候補を増やす」役割と「候補から外す」役割の両方を担い始めています。AI回答の内容を公式サイトやECサイトのレビューで確認する人が83.00%いる一方で、AIの回答を「そのまま判断材料にした」人も17.00%いました。

本記事では、この2本の調査(スクリーニング調査n=2,000、本調査n=300)の結果を全設問の分母つきで公開し、EC・通販事業者が生成AI・AI検索にどう向き合うべきかを、当社の他の調査データと合わせて解説します。

1. 調査の概要と、2本の調査の関係

全国2,000名のスクリーニング調査で生成AI利用の実態を把握し、EC・通販のAI活用者300名の本調査で購買行動への影響を深掘りしました。

この記事で扱う調査は2本です。1本目は全国の18〜70歳の男女2,000名を対象にしたスクリーニング調査で、生成AI・AI検索を買い物に使った経験の有無と、調べたジャンルを聞いています。2本目はEC・通販において生成AI・AI検索を活用した経験のあるモニタ300名を対象にした本調査で、どのAIを使ったか、提案された商品にどう行動したか、AIの回答をどう扱ったかを聞いています。

2本の分母は異なります。本記事では設問ごとに分母(n)を明記し、「全国の消費者のうち」なのか「EC・通販でAIを活用した人のうち」なのかを区別して記載します。

1-1.調査設計

1-1. 調査設計

本調査の対象は生成AIの活用者に限定しています。したがって本調査の数値は、消費者全体の割合ではなく「買い物で生成AIを使う人の中での割合」として読んでください。

2. 買い物で生成AI・AI検索を使った人は33.95%(n=2,000)

全国18〜70歳の3人に1人が、直近1年以内に商品・サービス選びで生成AI・AI検索を使っています。

「直近1年以内に、商品やサービスを選ぶ際、ChatGPTやGeminiなどの生成AI・AI検索を使って情報収集をしたことがありますか」という設問への回答は次の通りです。

回答結果

「何度もある」と「1〜2回ある」を合わせた利用経験者は679名、33.95%です。当社が2026年8月に実施した転職活動者向けの調査では、企業情報の収集に「生成AIに質問した」人が26.02%(n=880)でした。住まい探しの調査では「生成AIに質問した」人が23.47%(n=507)です。買い物は、この2つの領域より生成AIの利用経験率が高い結果となりました。

住まいや転職と比べて買い物は意思決定の回数が多く、1回あたりの金額が小さいものも含まれます。試しに聞いてみる機会が多いことが、利用経験率の差につながっていると考えられます。

2-1. 生成AIで調べたジャンルは「家電・ガジェット」が最多

生成AI・AI検索の利用経験者679名に、調べたことがある商品・サービスのジャンルを聞きました(複数回答)。

ジャンル別

家電・ガジェットは、スペック比較や型番の違いなど、AIが構造化して答えやすい情報が多いジャンルです。旅行・ホテルや飲食店は「条件を伝えて候補を出してもらう」という相談型の使い方に向いています。上位3ジャンルはいずれも、従来なら比較サイトやポータルで調べていた領域です。

なお性別で見ると、化粧品・美容は回答者138名のうち女性が94名を占め、他ジャンルと傾向が異なります。ジャンルごとに主な利用者層が違う点は、自社の顧客層と照らして読む必要があります。

3. EC・通販で使われているAIはChatGPT 54.00%、Gemini 49.67%(n=300)

商品・ショップ選びに使われたAIはChatGPTとGeminiが並び、GoogleのAIモードが32.33%で続きました。

本調査の対象であるEC・通販のAI活用者300名に、商品・ショップ選びに使ったことがある生成AI・AI検索をすべて選んでもらいました(複数回答)。

AIエンジン

Google系(Gemini・AIモード・AI Overview)のいずれかを使った人は、重複を含む単純合計で99.67%に達します。ChatGPT単独の利用率も54.00%あり、EC・通販事業者は「Google検索の中のAI」と「Google検索の外のAI」の両方で自社がどう扱われているかを見る必要があります。

一方で、当社のLLMO傾向分析レポート(30ジャンル・897クエリ)では、EC・通販ジャンルのAI Overview出現率は93.3%です。検索結果の上部にAI Overviewが表示される頻度に比べて、消費者が「AI Overviewを使った」と認識している割合は17.67%にとどまります。AI Overviewは意識せずに目に入る形で使われており、利用者の自己申告より実際の接触機会は多いと考えられます。

4. 45.67%が「知らなかった商品・ブランド・ショップ」をAIから提案された(n=300)

EC・通販でAIを使った人の約半数が、自分の検索では出会わなかった商品やショップをAIに提案されています。

45.67%が「知らなかった商品・ブランド・ショップ」をAIから提案された

この数字は、AIが「指名検索の代替」ではなく「新規の候補を持ち込む入口」として機能していることを示しています。従来の検索では、消費者が知っているキーワードの範囲でしか商品は出てきません。AIは条件を伝えれば、消費者が名前を知らないブランドも候補に挙げます。

4-1. 提案された人の33.58%が実際に購入(n=137)

AIから提案された経験がある137名に、その商品・ブランドに対して取った行動を聞きました(複数回答)。

提案された人の33.58%が実際に購入(n=137)

提案されて「特に何もしなかった」人は8.03%にとどまり、91.97%が何らかの次の行動を取っています。実際に購入した46名は、本調査の全回答者300名に対して15.33%にあたります。EC・通販でAIを使う人の約6人に1人が、AIが持ち込んだ知らなかった商品を買っているという計算です。

実際の場面を想像してください。夜、スマートフォンで「在宅勤務用に、腰が痛くならない2万円以内のチェア。組み立てが簡単なもの」と生成AIに聞く。AIは3つの製品を理由付きで挙げ、そのうち1つは聞いたことのないブランドだった。詳しく調べて、レビューを確認して、そのまま購入する。この流れの中で、AIの候補に入らなかった製品は比較すらされていません。

5. 50.33%が「AIの回答をきっかけに購入をやめた・別のブランドに変えた」(n=300)

AIは候補を増やすだけでなく、候補から外す方向にも働いています。半数が購入の中止か切り替えを経験しています。

50.33%が「AIの回答をきっかけに購入をやめた・別のブランドに変えた」

「購入をやめた」「別の商品・ブランドに変えた」「両方ある」を合わせると151名、50.33%です。「知らなかった商品を提案された」45.67%(第4章)と比べても、離脱・切り替えの経験率の方が高い結果になりました。AIの影響は、獲得側より損失側に先に表れている可能性があります。

5-1. きっかけの最多は「評判に関するネガティブな記述」42.38%(n=151)

購入をやめた、または切り替えた経験がある151名に、そのきっかけになった情報を聞きました(複数回答)。

きっかけの最多は「評判に関するネガティブな記述」42.38%(n=151)

上位3項目はいずれも「AIが自社をどう語っているか」に関する内容で、それぞれ33〜42%の人が離脱の理由に挙げています。注目すべきは4位と5位です。「情報が古かった・事実と違っていた」が18.54%、「情報がほとんど出てこなかった」が15.23%あり、ネガティブに語られるだけでなく、誤って語られる、あるいは語られないことも購入中止の理由になっています。

事業者から見ると、この5項目は対処の仕方が異なります。ネガティブな記述や口コミの引用は、AIが参照している情報源への対応が必要です。比較で不利な評価は、比較軸となる情報(価格・仕様・実績)を自社サイトで明示できているかの問題です。情報が古い・出てこないという状態は、AIが読み取れる形で自社情報を公開できていないという、より基礎的な課題です。


6. AIの回答は83.00%が別の情報源で確認している(n=300)

AIの回答をそのまま判断材料にした人は17.00%。大半は公式サイトやECサイトのレビューで裏取りをしています。

生成AIの回答内容をどう扱ったか、最も近いものを1つ選んでもらいました。

AIの回答は83.00%が別の情報源で確認している(n=300)

確認先の1位と2位はECサイトのレビューと公式サイトで、合わせて63.33%です。SNS・YouTubeは4.00%にとどまりました。当社の傾向分析レポートではAI Overviewの引用元ドメイン1位はyoutube.com(826回)でしたが、消費者側の裏取り先としてはYouTubeはほとんど使われていません。AIがYouTubeを参照して回答を作り、消費者はその回答を公式サイトとECレビューで検証する、という非対称な構造があります。

6-1. AIと公式サイトが食い違ったら「公式サイト」42.00%、「AIの回答」8.33%

生成AIの回答と商品の公式サイトの内容が食い違った場合、どちらを信用するかを聞きました。

AIと公式サイトが食い違ったら「公式サイト」42.00%、「AIの回答」8.33%

AIの回答を公式サイトより信用する人は8.33%で、住まい探し調査でポータルサイトよりAIの回答を信頼すると答えた9.86%(n=507)とほぼ同じ水準です。この結果は、事業者にとって2つの意味を持ちます。

1つ目は、AIが誤った情報を出しても、公式サイトが正しければ多くの消費者は公式サイトを信じるということです。公式サイトの情報が正確で、探しやすい場所に置かれていることは、AI時代の防御策として機能します。2つ目は、23.33%が「どちらとも言えない」と答えており、公式サイトが判断材料として十分でない場合には、AIの回答がそのまま印象として残るということです。

6-2. 「金額に関係なくAIに相談する」が38.67%

いくら以上の買い物なら生成AIに相談してから決めたいかを聞きました。

「金額に関係なくAIに相談する」が38.67%

「AIには相談しない」20.33%を除く79.67%が、何らかの金額帯でAIに相談する意向を持っています。金額の下限を設ける人の中では「1万円以上」16.00%が最多ですが、「金額に関係なく相談する」38.67%が突出しています。高単価商材だけがAI検索対策の対象という考え方は、この結果とは合いません。日用品や消耗品の領域でも、AIに相談してから買う行動は起きています。


7. 消費者の72.00%が「企業はAIでの自社の語られ方を把握・改善すべき」(n=300)

消費者自身が、企業側にAI回答の把握と改善を求めています。

商品を販売する企業・ショップは「生成AIに自社がどう回答されているか」を把握・改善すべきだと思うかを聞きました。

消費者の72.00%が「企業はAIでの自社の語られ方を把握・改善すべき」(n=300)

「強くそう思う」と「ややそう思う」を合わせて216名、72.00%です。第5章で見た通り、消費者はAIの回答が誤っていたり古かったりした経験を実際にしています。AIの回答に対する企業の責任を消費者が感じ始めているのは、その経験の反映と考えられます。

8. 調査結果から見えるEC・通販事業者への示唆

AIは候補を「増やす」と「外す」の両方に働く。事業者はまず、自社がAIにどう語られているかを把握する必要があります。

ここまでの結果を、事業者の行動に落とし込むと次の3点に整理できます。

8-1. 「語られていない」ことが損失になっている

「知らなかった商品を提案された」45.67%、そのうち購入33.58%という数字は、AIの候補に入ることで新規顧客を得られることを示しています。裏返せば、候補に入らなければ比較の土俵に乗りません。離脱理由に「情報がほとんど出てこなかった」15.23%が入っている点も同じ構造です。

自社がAIに語られているかどうかは、実際にAIに聞いてみないと分かりません。AIの回答は同じ質問でも毎回変わるため、1回聞いて出た・出なかったで判断するのではなく、複数回の計測で割合として把握する必要があります。当社ではAI回答の再現性を95%信頼区間つきで計測する方法を公開しています。

8-2. 「どう語られているか」が離脱を決めている

離脱理由の上位3項目(ネガティブな記述42.38%、ネガティブな口コミの引用39.07%、比較で不利33.11%)は、すべて語られ方の問題です。AIは口コミサイトや比較記事を参照して回答を作るため、自社サイトの改善だけでは語られ方は変わりません。AIがどのページを参照して自社を評価しているかを特定し、その情報源に対して働きかける必要があります。

具体的な対策の手順は、AI検索の時代にSEOとは別にやっておくべき対策9項目で解説しています。Amazon内の生成AI「Rufus」に関しては、Rufus対策の7ステップを別記事にまとめています。

8-3. 公式サイトは「AIの回答を検証される場所」になった

AIの回答を公式サイトで確認する人が31.33%、食い違えば公式サイトを信じる人が42.00%です。公式サイトは、AIの回答が正しいかどうかを消費者が確かめに来る場所になっています。価格・仕様・在庫・発送条件といった基本情報が明示され、AIが引用した内容と一致していることが、購入までの摩擦を減らします。逆に、公式サイトに情報がなく「どちらとも言えない」23.33%の側に回ると、AIの回答の印象がそのまま残ります。

当社観測では、こうした改善の効果が数字として確認できるまでには約3か月、投資判断に足る評価には約6か月を要します。EC・通販ジャンルのAI Overview出現率が93.3%であることを踏まえると、着手の時期は早いほど良いと考えられます。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 買い物で生成AIを使ったことがある人はどれくらいいますか?

株式会社Itera(LLMOチェキ)が2026年9月1日に実施した調査(全国18〜70歳・n=2,000)では、直近1年以内に商品・サービス選びで生成AI・AI検索を使った人は33.95%でした。内訳は「何度もある」19.15%、「1〜2回ある」14.80%です。

Q2. 生成AIで調べられているのはどんな商品ジャンルですか?

同調査の利用経験者679名のうち、最多は「家電・ガジェット」39.62%です。次いで「旅行・ホテル」31.52%、「飲食店」27.98%、「健康食品・サプリ」22.39%が続きます。「住宅・不動産」は7.95%、「習い事・スクール」は8.54%と、比較的低い結果でした。

Q3. 生成AIの提案がきっかけで実際に商品を買う人はいますか?

います。EC・通販で生成AIを活用した300名の調査(2026年9月10日)では、45.67%がAIから「知らなかった商品・ブランド・ショップ」を提案された経験があり、提案された人(n=137)の33.58%が実際に購入しています。全回答者300名に対する割合では15.33%です。

Q4. 生成AIの回答が原因で購入をやめる人はどれくらいいますか?

同調査(n=300)では、「購入をやめたことがある」13.00%、「別の商品・ブランドに変えたことがある」21.67%、「両方ある」15.67%で、合計50.33%が離脱または切り替えを経験しています。きっかけの最多は「商品やブランドの評判に関するネガティブな記述」42.38%(n=151)でした。

Q5. 消費者は生成AIの回答をそのまま信じているのですか?

そのまま判断材料にした人は17.00%(n=300)で、83.00%は別の情報源で確認しています。確認先は「ECサイトのレビュー」32.00%、「商品の公式サイト」31.33%、「店頭で実物」15.67%、「SNS・YouTube」4.00%です。AIと公式サイトが食い違った場合に「生成AIの回答」を信用する人は8.33%で、「公式サイト」42.00%を大きく下回ります。

Q6. 低単価の商品でもAI検索対策は必要ですか?

同調査(n=300)では「金額に関係なく生成AIに相談する」人が38.67%で最多でした。金額の下限を設ける人を含めた相談意向は合計79.67%です。低単価だからAIで比較されないという前提は、この結果とは合いません。

Q7. EC・通販ではAI Overviewはどれくらい表示されますか?

当社のLLMO傾向分析レポート(30ジャンル・897クエリ・2026年7月25日〜8月3日)では、EC・通販ジャンルのAI Overview出現率は93.3%でした。30ジャンルの平均86.5%を上回っています。

Q8. 消費者は企業にAI回答の把握・改善を求めていますか?

同調査(n=300)では、企業・ショップは「生成AIに自社がどう回答されているか」を把握・改善すべきだと「強くそう思う」15.67%、「ややそう思う」56.33%で、合計72.00%が肯定しています。


まとめ:AIは買い物の候補を「増やし」「外す」。まず自社の語られ方を測る

買い物における生成AIの利用経験率は33.95%(n=2,000)で、転職や住まい探しを上回りました。EC・通販でAIを使う人の45.67%が知らなかった商品を提案され、50.33%がAIの回答をきっかけに購入をやめるか切り替えています。AIは新規顧客を連れてくる入口であると同時に、既存の候補を静かに外す仕組みでもあります。

離脱理由の上位はすべて「AIが自社をどう語っているか」に関するもので、対策の起点は自社の語られ方を把握することです。同時に、消費者の83.00%はAIの回答を公式サイトやECレビューで検証しており、公式サイトの正確さが防御策として機能します。

消費者の72.00%は、企業がAIでの語られ方を把握・改善すべきだと考えています。

まずは自社のサイトについて、AIがどう語っているかを確認するところから始めてください。LLMOチェキの無料診断では、URLを入力するだけで登録不要で現状を確認できます。


調査概要(スクリーニング調査)

  • 調査名: 買い物に関するアンケート

  • 調査主体: 株式会社Itera(LLMOチェキ)

  • 調査方法: インターネット調査

  • 調査対象: 全国の18〜70歳の男女2,000名

  • 調査日: 2026年9月1日

調査概要(本調査)

  • 調査名: 買い物に関するAI活用のアンケート

  • 調査主体: 株式会社Itera(LLMOチェキ)

  • 調査方法: インターネット調査

  • 調査対象: EC・通販で生成AI・AI検索を活用した経験のあるモニタ300名

  • 調査日: 2026年9月10日

  • 実測値 / 推定値の区別: 本記事の数値はすべて実測値。割合は小数点第3位で四捨五入。設問ごとに分母(n)を明記。「確認後の第一印象の変化」に関する設問は分母が確定できないため掲載していない

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本記事の調査データは、出典として「LLMOチェキ調べ(株式会社Itera)/ https://llmocheki.com/report/llmo-trend」をご記載いただければ、 引用・転載自由です。