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【独自調査】転職活動者の26%が生成AIで企業情報を収集|採用LLMOの必要性が数字で判明

約11分で読めます 著者: 武藤 尭行

転職活動中に応募先・検討先の企業情報を調べる際、26.02%が「ChatGPT・Gemini・Copilot等の生成AIに質問した」と回答しました。これはOpenWork・転職会議などの口コミサイト(12.50%)の2.08倍にあたります。

株式会社Iteraは2026年8月26日、全国の会社員5,000名を対象にインターネット調査を実施しました。過去1年以内に転職活動を行った880名に企業情報の収集方法を聞いたところ、生成AIとAI Overviewを合わせて314名(35.7%)がAI経由で企業を調べていたことが分かりました。

求職者が企業を評価する場が、口コミサイトやSNSからAIの回答へと移りつつあります。この変化に対応し、AIが自社を正しく・好意的に説明する状態を作る取り組みが「採用LLMO」です。本記事では調査結果の全データを公開し、企業側が取るべき対応を解説します。

1. 採用LLMOとは|なぜこの調査を行ったのか

採用LLMOとは、ChatGPT・Gemini・Google AI Overviewなどの生成AIが求職者の質問に答えるとき、自社が候補として登場し、正確に語られるようにする取り組みです。LLMOはLarge Language Model Optimization(大規模言語モデル最適化)の略で、採用AIO・採用GEOとも呼ばれます。

採用SEO・採用広報との違い

施策

主な対象

目指す状態

採用SEO

検索エンジン

検索結果から採用ページへ流入する

採用広報

求職者

企業や仕事への理解・関心を深める

採用LLMO

生成AI・AI検索

AIが自社を候補として挙げ、正しく説明する

3つは対立しません。AIが引用するページは検索上位ページと重なる傾向があるため、採用SEOの資産はそのまま採用LLMOの土台になります。

目指す状態は2つ

1つは推薦されること。「30代で裁量の大きい仕事ができる会社は?」という相談への回答に、自社名が候補として挙がる状態です。

もう1つは正確に語られること。「(社名)の残業時間は?」という指名質問に、AIが古い情報や偏った口コミではなく、正しい事実で答える状態です。

なぜ調査が必要だったのか

採用LLMOという概念は語られ始めていますが、日本国内で「求職者が実際にどの程度AIを使っているか」を大規模に測ったデータはほとんどありませんでした。

必要性を論じるには、まず実態の数字が要ります。そこで当社は、全国の会社員5,000名を対象に調査を実施しました。以降、その結果を全て公開します。

対策の具体的な進め方は採用LLMOの実践ガイドにまとめています。本記事では、まず数字から実態を確認してください。

2. 調査の概要

項目

内容

調査名

転職活動における企業情報の収集方法に関する調査

調査主体

株式会社Itera(LLMOチェキ)

調査方法

インターネットリサーチ

調査期間

2026年8月26日

調査対象

全国の22歳以上65歳以下の会社員(正社員/契約・派遣社員)

サンプル数

5,000名(スクリーニング)

分析対象

過去1年以内に転職活動を行った880名

転職活動の実施状況(n=5,000)

転職活動の実施状況

回答

人数

割合

現在行っている

454名

9.08%

過去1年以内に行った(転職した)

233名

4.66%

過去1年以内に行った(転職には至っていない)

193名

3.86%

1年より前に行った

2,045名

40.90%

転職活動をしたことがない

2,075名

41.50%

過去1年以内に転職活動を行った人は880名(17.6%)でした。以降の設問は、この880名を分析対象としています。


3. 転職活動者の26%が、生成AIで企業情報を調べている

企業情報の収集方法(n=880・複数回答)

転職活動者の26%が、生成AIで企業情報を調べている

情報源

人数

割合

転職サイト・エージェント等の求人情報

428名

48.64%

企業の公式サイト

302名

34.32%

ChatGPT・Gemini・Copilot等の生成AIに質問した

229名

26.02%

Google検索上部のAIによる要約(AI Overview)を見た

190名

21.59%

OpenWork・転職会議等の口コミサイト

110名

12.50%

特に調べていない

89名

10.11%

SNSで検索した

81名

9.20%

知人に聞いた

63名

7.16%

その他

63名

7.16%

読み取れる3つの事実

事実1:生成AIは、口コミサイトの2倍以上使われている

生成AIへの直接質問(26.02%)は、OpenWork・転職会議などの口コミサイト(12.50%)の2.08倍、SNS検索(9.20%)の2.83倍です。

採用広報の現場では、口コミサイトの評価を気にする企業が多くあります。しかし調査結果を見る限り、求職者がより多く使っているのは生成AIです。口コミ対策と同等以上の重要度で、AI上での見え方を管理する必要があります。

事実2:企業公式サイトに迫る水準にある

生成AI(26.02%)と企業公式サイト(34.32%)の差は8.3ポイントです。従来、企業が最もコントロールできる情報源だった公式サイトに、生成AIが迫っています。

さらに、公式サイトを見る前段階でAIに相談し、候補を絞り込んでいるケースも含まれると考えられます。AIの回答に登場しなければ、公式サイトを見てもらう機会自体が失われます。

事実3:AI経由で調べた人は3人に1人以上

生成AIへの質問(229名)とAI Overviewの閲覧(190名)を合わせ、重複を除いた実数は314名でした。転職活動者880名の35.7%にあたります。

3人に1人以上が、何らかの形でAIを介して企業情報に触れているということです。


4. AIで何を調べているのか|企業評価がトップ

AIで何を調べているのか|企業評価がトップ

生成AIで調べた内容(n=314・複数回答)

調べた内容

人数

割合

企業の事業内容・評判

186名

59.24%

年収・待遇の相場

169名

53.82%

面接対策・想定質問

134名

42.68%

志望動機・書類の作成補助

127名

40.45%

おすすめの転職サービス

73名

23.25%

その他

4名

1.27%

この結果が示す、企業側の課題

課題1:「事業内容・評判」が最多(59.24%)

AIの用途として最も多いのは、文書作成の補助ではなく企業そのものの評価でした。

つまり求職者は、AIに「この会社はどんな会社か」「評判はどうか」を尋ねています。ここでAIが何を答えるかが、応募の判断に直結します。公式情報が薄い企業ほど、AIは第三者の情報や古い情報だけで回答を組み立てることになります。

課題2:「年収・待遇の相場」が2位(53.82%)

半数以上が、給与や待遇の水準をAIに確認しています。

自社の給与レンジや制度を公開していない場合、AIは業界平均や第三者の推測で回答します。実態より低い水準が示されれば、応募の手前で候補から外れます。逆に数値を明示している企業は、そのままAIの回答材料になります。

課題3:選考対策にも使われている(42.68%)

面接対策や想定質問をAIに聞く求職者が4割を超えています。この段階でAIが自社の選考フローや求める人物像を正しく説明できなければ、候補者は一般論で準備してくることになり、選考の質にも影響します。


5. 企業にとって、この結果は何を意味するか

応募の手前で、評価が終わっている

従来の採用広報は、求人媒体で見つけてもらい、採用サイトで理解を深めてもらう流れを前提にしていました。

しかし調査結果は、その手前にAIとの対話が挟まっていることを示しています。転職活動者の35.7%がAIで企業を調べ、その59.24%が「事業内容・評判」を尋ねている。この段階での印象が、応募するかどうかを左右します。

そして企業側から見ると、この工程は見えません。AIがどう答えたかも、そこで何人が離脱したかも、応募数の変化としてしか観測できません。この構造はAI検索全般に共通するものです。

口コミ対策よりも優先度が高い可能性がある

多くの企業が、口コミサイトのスコアや書き込み内容に注意を払っています。それ自体は妥当ですが、利用者数で見れば生成AIのほうが2倍以上多いというのが今回の結果です。

しかも、AIは口コミサイトの情報も参照して回答を作ります。つまりAI対策は、口コミ対策を包含する上位の施策になり得ます。

公開している情報が、そのまま回答になる

AIが企業について答える際の材料は、Web上に存在する情報です。公式サイト、求人媒体、プレスリリース、口コミ、ニュース記事。

公式情報が薄い企業ほど、AIは匿名の情報や推測で回答を埋めます。逆に、給与レンジ・残業時間・制度・選考フローを数値と事実で公開している企業は、その情報がそのまま回答に使われます。

自社がAIにどう説明されているか、確認できていますか LLMOチェキの無料診断では、URLを入力するだけでサイトのAI検索対応状況を確認できます。登録不要・約3分。 → 無料診断を試す


6. 企業が今すぐやるべき4つのこと

① 自社がAIにどう説明されているかを確認する

最初の一歩は、求職者と同じ質問を自分で投げることです。

確認すべき3つの質問
1「(社名)ってどんな会社?働きやすさは?」
  → 事業内容・制度の説明に誤りがないか
2「(職種)×(地域や条件)でおすすめの会社は?」
  → 自社が候補に挙がるか、挙がらないなら誰が挙がるか
3「(社名)の年収や残業時間は?」
  → 実態と異なる水準が示されていないか

質問1は、調査で最多だった「事業内容・評判」に対応します。質問3は2位の「年収・待遇の相場」に対応します。調査結果が示す求職者の関心そのものを、自分で確認するという設計です。

なお、ログイン状態では会話履歴の影響を受けるため、一時チャットまたはログアウト状態で実行してください。

② 給与・待遇を数値で開示する

「年収・待遇の相場」を調べる求職者が53.82%いる以上、この情報の開示は避けて通れません。

  • 職種別の給与レンジ(下限と上限)

  • 月平均残業時間(集計対象と期間を明記)

  • 賞与の実績(支給月数など)

  • 有給取得率、リモートワークの頻度

数値には必ず集計対象と期間を添えてください。「残業10時間」より「2025年度・正社員を対象とした月平均で10時間」のほうが、AIにも求職者にも信頼される情報になります。

③ 事業内容と評判の材料を、自社で提供する

「事業内容・評判」が59.24%と最多である以上、この領域の情報を自社で用意する価値は高くなります。

  • 何を、誰に、どのように提供している会社なのかを、具体的に書く

  • 顧客数・導入実績・事業の成長といった検証可能な事実を示す

  • 社員インタビューでは、抽象的な社風ではなく具体的な業務内容と数値を含める

抽象的な表現(「風通しがよい」「成長できる環境」)は、AIが照合できません。事実に置き換えてください。

④ 情報を置く場所を分散させる

AIは公式サイトだけを見るわけではありません。求人媒体、プレスリリース、業界メディア、口コミサイト。複数の情報源を横断して回答を組み立てます。

重要なのは、これらの媒体で情報が食い違っていないことです。採用サイトで「フルリモート」、求人媒体で「週2出社」となっていれば、AIは参照先によって異なる回答を返し、求職者の不信を招きます。


7. よくある質問(FAQ)

Q1. 採用LLMOとは何ですか?

生成AIが求職者の質問に答えるとき、自社が候補として登場し、正確に語られるようにする取り組みです。目指す状態は2つあり、条件相談への回答で候補に挙がること(推薦)と、指名質問への回答が事実に基づくこと(正確性)です。採用SEOや採用広報と対立するものではなく、それらの資産の上に積み重なる施策になります。

Q2. 調査の対象と分母を教えてください

全国の22〜65歳の会社員(正社員/契約・派遣社員)5,000名をスクリーニングし、そのうち過去1年以内に転職活動を行った880名を分析対象としています。企業情報の収集方法(Q2)の分母は880名、生成AIで調べた内容(Q3)の分母は314名です。調査日は2026年8月26日、実施主体は株式会社Iteraです。

Q3. 26.02%という数字は高いのですか、低いのですか?

比較対象で判断してください。同じ調査で、口コミサイトは12.50%、SNS検索は9.20%でした。生成AIは口コミサイトの2.08倍、SNSの2.83倍使われています。一方、転職サイト・エージェント(48.64%)や企業公式サイト(34.32%)にはまだ及びません。位置づけとしては、「主要な情報源の一角に定着した」段階といえます。

Q4. 中小企業でも対応する必要がありますか?

必要性はむしろ高くなります。AIへの質問は「職種 × 地域 × 条件」と細かく絞られるため、全国的な知名度がなくても、条件を具体的に言語化した企業が候補に挙がる構造があります。知名度ではなく、情報の解像度で戦える領域です。

Q5. 何から始めればいいですか?

本記事「6. 企業が今すぐやるべき4つのこと」の①、つまり自社の状況確認からです。ChatGPTやGeminiに「(社名)ってどんな会社?」と質問するだけで、5分で現在地が分かります。誤情報があるか、そもそも認識されていないか、公式情報以外で説明されているか。この3つのどれに当てはまるかで、優先すべき対策が決まります。

Q6. 効果が出るまでどれくらいかかりますか?

当社観測では、施策後の改善傾向の確認に約3か月、投資判断に足る評価には約6か月が目安です。ただし施策の種類によって速度は異なり、誤情報の修正や公式情報の追加は比較的早く反映される一方、条件検索での新規の言及獲得には時間がかかる傾向があります。

Q7. このデータは引用できますか?

引用・転載は自由です。出典として「株式会社Itera調べ」と記載してください。数値を引用される際は、分母(Q2はn=880、Q3はn=314)を併記いただけると、正確な理解につながります。


まとめ:応募の手前の戦いが、数字で見えた

転職活動者の26.02%が生成AIに直接質問し、21.59%がAI Overviewを閲覧。合わせて35.7%が、AI経由で企業情報に触れていました。口コミサイトの2倍以上という結果は、企業が注意を払うべき場所が変わったことを示しています。

そしてAIで最も調べられていたのは「企業の事業内容・評判」(59.24%)と「年収・待遇の相場」(53.82%)でした。求職者は、企業そのものの評価をAIに尋ねています。

対応は複雑ではありません。自社がAIにどう説明されているかを確認し、給与・待遇を数値で開示し、事業内容を具体的に書き、媒体間で情報を揃える。いずれも派手な施策ではありませんが、応募の手前で候補から外れることを防ぎます。

まずは今日、求職者と同じ質問をAIに投げてみてください。継続的な計測には、LLMOチェキ(llmocheki.com)で8つのAIエンジンでの自社の言及・誤情報を確認できます。初期費用0円・カード登録不要で試せます。

採用領域での具体的な対策は、採用LLMOの実践ガイドで詳しく解説しています。


調査概要

  • 調査名:転職活動における企業情報の収集方法に関する調査

  • 調査主体:株式会社Itera(LLMOチェキ)

  • 調査方法:インターネットリサーチ

  • 調査期間:2026年8月26日

  • 調査対象:全国の22歳以上65歳以下の会社員(正社員/契約・派遣社員)

  • サンプル数:5,000名(スクリーニング)

  • 分析対象:過去1年以内に転職活動を行った880名

  • 設問の分母:Q2(情報収集方法)n=880/Q3(生成AIで調べた内容)n=314

  • 注記:割合は小数第3位で四捨五入。Q2・Q3はいずれも複数回答

本調査データは、出典として「株式会社Itera調べ」と明記いただければ、引用・転載自由です。