【独自調査】BtoB商材の選定に関わった人の60%が生成AIを利用、69%がAIの回答で候補から外した・変えた経験あり|BtoB LLMOが必要な理由
株式会社Itera(LLMOチェキ)が2026年8〜9月に実施した調査で、直近1年以内に仕事で製品・サービスの選定・比較に関わった人のうち60.30%が、その選定にChatGPTやGeminiなどの生成AI・AI検索を使っていました(n=1,219)。
さらにBtoB商材の選定で生成AIを活用した300名のうち63.67%が「自分では知らなかった製品・サービス・企業」をAIから提案された経験があり、68.67%が「AIの回答をきっかけに検討中の製品を候補から外した、または別のものに変えた」経験を持っていました。
BtoBの選定では、生成AIは「候補の洗い出し」42.33%、「自社の課題・要件の整理」39.00%、「候補の比較表の作成」38.00%と、選定プロセスの初期段階で使われています。AIが作成した比較内容を稟議書や社内提案資料に使った経験がある人は65.00%に達しました。
本記事では、この2本の調査(スクリーニング調査n=5,000、本調査n=300)の結果を全設問の分母つきで公開し、BtoB企業が生成AI・AI検索にどう向き合うべきかを、当社の他の調査データと合わせて解説します。
1. 調査の概要と、2本の調査の関係
全国5,000名の就業者へのスクリーニングで選定関与者の生成AI利用率を把握し、BtoB商材の選定でAIを活用した300名の本調査で選定行動への影響を深掘りしました。
この記事で扱う調査は2本です。1本目は全国の23〜65歳の会社員(正社員)・経営者・役員・自営業・自由業・医師・医療関係者5,000名を対象にしたスクリーニング調査で、仕事で製品・サービスを選定・比較する際に生成AI・AI検索を使った経験と、従業員規模を聞いています。
2本目はBtoB商材の選定において生成AI・AI検索を活用した経験のあるモニタ300名を対象にした本調査で、どのAIを使ったか、提案された製品にどう行動したか、選定プロセスのどの段階で使ったか、社内資料への利用状況を聞いています。
2本の分母は異なります。本記事では設問ごとに分母(n)を明記し、「就業者全体のうち」「選定に関わった人のうち」「BtoB商材の選定でAIを活用した人のうち」を区別して記載します。
1-1. 調査設計

2. 選定に関わった人の60.30%が生成AIを使用(n=1,219)
製品・サービスの選定・比較に関わった就業者の5人に3人が、その選定に生成AI・AI検索を使っています。
「直近1年以内に、仕事で導入・発注する製品やサービスを選定・比較する際、ChatGPTやGeminiなどの生成AI・AI検索を使ったことがありますか」という設問への回答は次の通りです。

就業者全体に対する生成AI利用経験者は735名、14.70%です。ただしこの数字は、選定に関わっていない人を含んでいます。選定・比較に関わった人(上位3行の合計)は1,219名、24.38%で、そのうち生成AIを使った735名の割合は60.30%になります。
つまり、製品・サービスの選定という行為に関わった時点で、過半数が生成AIを使っています。当社が2026年9月に実施した消費者向けの買い物調査では、商品・サービス選びに生成AIを使った人は33.95%(n=2,000・全国18〜70歳)でした。BtoBの選定関与者に限定した利用率は、消費者の買い物を大きく上回ります。
BtoBの選定は、比較軸が多く、社内説明が必要で、担当者が全候補を知っているとは限らない作業です。要件を整理して候補を出し、比較表にまとめるという工程は、生成AIの得意分野と重なります。利用率の高さは、この作業特性の反映と考えられます。
2-1. 従業員規模別では1,001人以上が29.52%で最多(n=735)
生成AIを使った735名の従業員規模は次の通りです。

1,001人以上の企業が29.52%で最多ですが、50人以下の企業も合計28.03%あります。企業規模を問わず、選定における生成AIの利用は起きています。
3. BtoB商材の選定で使われるAIはChatGPT 73.67%(n=300)
BtoBではChatGPTへの集中が強く、Copilotが29.00%で3位に入る点が消費者向けと異なります。
本調査の対象であるBtoB商材の選定で生成AIを活用した300名に、製品・サービスの選定で使ったことがある生成AI・AI検索をすべて選んでもらいました(複数回答)。

消費者向けの買い物調査(n=300)ではChatGPT 54.00%、Gemini 49.67%、GoogleのAIモード 32.33%でした。BtoBではChatGPTが73.67%と約20ポイント高く、Copilotが18.33%から29.00%へ、Claudeが6.00%から16.33%へ上がっています。
Microsoft 365と一体で提供されるCopilotや、文書作成での利用が多いClaudeが、業務での選定に使われている構図です。
一方でGoogle検索の中のAI(AIモード・AI Overview)は、BtoBでは消費者向けより低い割合でした。BtoBの選定では、検索結果の要約を見るより、対話型のAIに要件を伝えて候補を出させる使い方が主流と考えられます。事業者は、Google検索の外にあるAIで自社がどう語られているかを、より重視する必要があります。
3-1. 選定・比較したカテゴリは「業務ソフト・SaaS」44.33%が最多

上位2カテゴリはIT系で、合わせて選定の中心を占めています。当社のLLMO傾向分析レポート(30ジャンル・897クエリ)では、SaaSジャンルのAI Overview出現率は96.7%で30ジャンル中最高、システム開発は83.3%、AI開発は80.0%、人材紹介は93.3%でした。
人材領域については、転職活動者の26.02%が生成AIで企業情報を収集しているという当社調査もあり、選ぶ側と選ばれる側の双方でAI利用が進んでいます。生成AIで選定されやすいカテゴリと、検索結果でAIが前面に出るジャンルが重なっています。
4. 63.67%が「知らなかった製品・サービス・企業」をAIから提案された(n=300)
BtoB商材の選定でAIを使った人の3人に2人が、自分では候補に挙げていなかった製品や企業をAIに提案されています。

消費者向けの買い物調査では同じ設問の「ある」が45.67%でした。BtoBでは18ポイント高い結果です。BtoB商材は、消費者向け商品に比べて選択肢の全体像を担当者が把握しづらく、AIが「知らない候補」を持ち込む余地が大きいためと考えられます。
4-1. 提案された人の50.79%が資料請求・問い合わせ、29.84%が導入・契約(n=191)
AIから提案された経験がある191名に、その製品・サービスに対して取った行動を聞きました(複数回答)。

「特に何もしなかった」は8.90%にとどまり、91.10%が何らかの行動を取っています。資料請求・問い合わせ50.79%と商談・デモ依頼29.84%は、そのままBtoB企業のリード獲得に直結する行動です。実際に導入・契約した57名は、本調査の全回答者300名に対して19.00%にあたります。
実際の場面を想像してください。情シス担当者が、上司から「来期までに勤怠管理を入れ替えたい。候補を3つ出して」と言われる。担当者は生成AIに「従業員200名、シフト勤務あり、給与計算ソフトと連携できる勤怠管理SaaSを3つ、月額の目安つきで」と聞く。AIは3社を挙げ、そのうち1社は担当者が名前を知らなかった。その1社に資料請求をし、比較表に加えて上司に出す。ここでAIに挙げられなかった製品は、比較表に載っていません。
5. 68.67%が「AIの回答をきっかけに候補から外した・別のものに変えた」(n=300)
BtoBでは、AIが候補を増やす以上に候補を削る方向に働いています。7割近くが候補の除外か変更を経験しています。

「候補から外した」「別のものに変えた」「両方ある」を合わせると206名、68.67%です。消費者向けの買い物調査では同じ設問の合計が50.33%でした。BtoBでは18ポイント高く、「知らなかった製品を提案された」63.67%より、除外・変更の経験率の方が高い結果になっています。
5-1. きっかけの最多は「ネガティブなレビュー・評判の引用」50.97%(n=206)
候補から外した、または変えた経験がある206名に、そのきっかけになった情報を聞きました(複数回答)。

消費者向けの調査では1位が「評判に関するネガティブな記述」42.38%でしたが、BtoBでは「ネガティブなレビュー・評判の引用」が50.97%で突出しています。BtoB商材は、ITレビューサイトや比較サイトの評価がAIの回答に引用されやすく、その内容が候補の除外に直結しています。
注目すべきは4位の「情報が古かった・事実と違っていた(機能・料金など)」27.67%です。消費者向けの18.54%より9ポイント高く、BtoBでは機能や料金の誤情報が候補除外の理由として強く働いています。料金改定や機能追加が頻繁なSaaSでは、AIが古い情報をもとに回答し、それが理由で候補から外れるという損失が起きていると考えられます。
6. 生成AIは選定の「初期段階」で使われ、稟議書にも使われている(n=300)
候補の洗い出し・要件整理・比較表作成の3工程で使われ、65.00%がAIの比較内容を社内資料に使っています。
選定プロセスのどの段階で生成AIを使ったかを聞きました(複数回答)。

上位3項目はいずれも、候補が固まる前の工程です。AIは選定の入口で候補リストを作る役割を担っており、この段階で挙がらない製品は、その後の比較にも稟議にも進めません。
6-1. 回答者の57.00%は決裁者または選定担当者
その選定における役割を聞きました。

「最終的な決裁者」と「選定担当者」を合わせて171名、57.00%です。生成AIを使っているのは情報収集の補助者だけではなく、選定を推薦し、決裁する立場の人が過半数を占めています。
6-2. AIが作成した比較内容を稟議書に使った経験は65.00%
生成AIが作成した比較内容や推薦内容を、稟議書や社内の提案資料に使ったことがあるかを聞きました。

「何度もある」と「1〜2回ある」を合わせて195名、65.00%です。AIが出力した比較表や推薦文が、担当者の手を経て社内の意思決定文書に入っています。AIが自社をどう説明しているかは、そのまま稟議書の中での自社の説明になり得ます。ここに誤った料金や古い機能情報が入れば、決裁の場で訂正される機会はありません。
7. 77.33%が「企業はAIでの自社の語られ方を把握・改善すべき」(n=300)
BtoBの選定に関わる人自身が、ベンダー側にAI回答の把握と改善を求めています。

「強くそう思う」と「ややそう思う」を合わせて232名、77.33%です。消費者向けの買い物調査では72.00%でした。「強くそう思う」に限ると、消費者向け15.67%に対してBtoBは25.67%と10ポイント高く、選定の当事者ほど強く求めている結果です。
8. 調査結果から見えるBtoB企業への示唆
BtoBでは、AIが候補リストを作り、その内容が稟議書に入る。自社がAIにどう語られているかは、営業プロセスの一部になっています。
8-1. 候補リストに入らなければ、比較も稟議も始まらない
「知らなかった製品を提案された」63.67%、うち資料請求・問い合わせ50.79%、導入・契約29.84%という数字は、AIの候補に入ることがそのままリード獲得につながることを示しています。生成AIは「候補の洗い出し」42.33%で最も使われており、この段階で挙がらない製品は、比較表にも稟議書にも載りません。
自社がAIの候補に入っているかは、実際に聞いてみないと分かりません。AIの回答は同じ質問でも毎回変わるため、複数回の計測で割合として把握する必要があります。計測ツールの選び方は国内外13ツールの料金比較で整理しています。当社ではAI回答の再現性を95%信頼区間つきで計測する方法を公開しています。
8-2. レビューサイトの引用と、機能・料金の誤情報を点検する
候補除外の理由の1位は「ネガティブなレビュー・評判の引用」50.97%、4位は「情報が古かった・事実と違っていた(機能・料金など)」27.67%です。前者はAIが参照しているレビューサイト・比較サイトへの対応、後者は自社サイト上の機能・料金情報の鮮度の問題で、対処が異なります。
どちらも、AIがどのページを参照して自社を語っているかを特定するところから始まります。具体的な対策の手順は、AI検索の時代にSEOとは別にやっておくべき対策9項目で解説しています。
8-3. 稟議書に入る「自社の説明」を自社で確認する
AIの比較内容を稟議書に使った経験がある人は65.00%で、決裁者・選定担当者が57.00%を占めます。AIが出力する自社の説明は、営業担当が同席しない場で、そのまま意思決定者の目に触れています。料金・主要機能・導入実績といった比較表に入る項目については、AIの回答と自社の公式情報が一致しているかを定期的に確認する必要があります。
当社観測では、こうした改善の効果が数字として確認できるまでには約3か月、投資判断に足る評価には約6か月を要します。SaaSジャンルのAI Overview出現率が96.7%であることを踏まえると、BtoBは着手を先送りしにくい領域です。
9. よくある質問(FAQ)
Q1. BtoB商材の選定で生成AIを使っている人はどれくらいいますか?
株式会社Itera(LLMOチェキ)が2026年8月31日に実施した調査(全国23〜65歳の就業者・n=5,000)では、直近1年以内に仕事で製品・サービスの選定・比較に関わった人は24.38%(1,219名)で、そのうち60.30%が選定に生成AI・AI検索を使っていました。就業者全体に対する割合では14.70%です。
Q2. BtoBの選定でよく使われているAIは何ですか?
BtoB商材の選定で生成AIを活用した300名の調査(2026年9月10日)では、ChatGPT 73.67%、Gemini 53.00%、Copilot 29.00%、GoogleのAIモード 24.67%、Google検索のAI Overview 17.00%、Claude 16.33%、Perplexity 11.33%でした(複数回答)。
Q3. 生成AIで選定されているのはどんな商材ですか?
同調査(n=300)では「業務ソフト・SaaS」44.33%が最多で、「ITインフラ・セキュリティ・通信」32.00%、「設備・備品・オフィス用品」28.67%、「制作会社・広告代理店・コンサルなどの外注先」19.67%が続きます。
Q4. 生成AIの提案がきっかけで実際に導入・契約する企業はありますか?
あります。同調査(n=300)では63.67%がAIから「知らなかった製品・サービス・企業」を提案された経験があり、提案された人(n=191)の50.79%が資料請求・問い合わせを、29.84%が実際に導入・契約をしています。全回答者に対する導入・契約の割合は19.00%です。
Q5. 生成AIの回答が原因で候補から外される製品はありますか?
あります。同調査(n=300)では「候補から外したことがある」26.00%、「別の製品・サービスに変えたことがある」30.00%、「両方ある」12.67%で、合計68.67%が候補の除外または変更を経験しています。きっかけの最多は「ネガティブなレビュー・評判の引用」50.97%(n=206)で、「情報が古かった・事実と違っていた(機能・料金など)」も27.67%ありました。
Q6. 生成AIの出力は社内の稟議書に使われていますか?
使われています。同調査(n=300)では、AIが作成した比較内容や推薦内容を稟議書や社内提案資料に「何度も使った」31.00%、「1〜2回使った」34.00%で、合計65.00%です。「会社の規定でAI利用が制限されている」は4.67%でした。
Q7. 生成AIは選定のどの段階で使われていますか?
同調査(n=300・複数回答)では「候補となる製品・企業の洗い出し」42.33%、「自社の課題・要件の整理」39.00%、「候補の比較表の作成」38.00%、「価格・費用相場の把握」31.67%が上位で、候補が固まる前の初期段階で主に使われています。
Q8. BtoBのジャンルではAI Overviewはどれくらい表示されますか?
当社のLLMO傾向分析レポート(30ジャンル・897クエリ・2026年7月25日〜8月3日)では、SaaSのAI Overview出現率は96.7%で30ジャンル中最高でした。人材紹介は93.3%、システム開発は83.3%、AI開発は80.0%です。
まとめ:AIが候補リストを作り、稟議書に入る。BtoBの語られ方は営業プロセスの一部
製品・サービスの選定に関わった就業者の60.30%が生成AIを使い、BtoB商材の選定でAIを使う人の63.67%が知らなかった製品を提案され、68.67%がAIの回答をきっかけに候補を外すか変えています。これらの数字はいずれも、消費者向けの買い物調査(33.95%・45.67%・50.33%)を上回りました。
BtoBの生成AI利用は候補の洗い出しと比較表作成に集中し、その出力は65.00%が稟議書や社内提案資料に使っています。使っているのは決裁者と選定担当者が57.00%です。AIが自社をどう語るかは、営業担当が同席しない場で意思決定者に届く「自社の説明」になっています。
候補除外の理由の1位はレビューサイトの引用、4位は機能・料金の誤情報です。対策の起点は、自社がAIにどう語られているかを、実際に計測して把握することです。
まずは自社のサイトについて、AIがどう語っているかを確認するところから始めてください。LLMOチェキの無料診断では、URLを入力するだけで登録不要で現状を確認できます。
調査概要(スクリーニング調査)
調査名: BtoB商材選定におけるアンケート
調査主体: 株式会社Itera(LLMOチェキ)
調査方法: インターネット調査
調査対象: 全国の23〜65歳の会社員(正社員)、経営者・役員、自営業、自由業、医師・医療関係者5,000名
調査日: 2026年8月31日
調査概要(本調査)
調査名: BtoB商材選定におけるAI活用のアンケート
調査主体: 株式会社Itera(LLMOチェキ)
調査方法: インターネット調査
調査対象: BtoB商材の選定で生成AI・AI検索を活用した経験のあるモニタ300名
調査日: 2026年9月10日
実測値 / 推定値の区別: 本記事の数値はすべて実測値。割合は小数点第3位で四捨五入。設問ごとに分母(n)を明記
参照した当社の他調査
LLMO傾向分析レポート(30ジャンル・897クエリ・2026年7月25日〜8月3日): https://llmocheki.com/report/llmo-trend
買い物に関するアンケート(n=2,000・2026年9月1日)/買い物に関するAI活用のアンケート(n=300・2026年9月10日)
転職活動における企業情報の収集方法に関する調査(n=880・2026年8月26日): https://llmocheki.com/blog/llmo/saiyo-survey-llmo
本記事の調査データは、出典として「LLMOチェキ調べ(株式会社Itera)/ https://llmocheki.com/report/llmo-trend」をご記載いただければ、 引用・転載自由です。